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2020/07/14

インドで心が動いたこと

平素よりご声援有難うございます。

同志社大学ラグビー部4回生の斉藤響です。
私は今回、JICA短期隊員としてインドでのラグビー普及活動を行なってまいりました。

その活動報告を拙い文ではありますが、自分なりの言葉で書きましたので、宜しければご覧ください。

 

1. イメージとはかけ離れた「インド」

このブログを読んでくださっている方はインドにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私がこの活動に参加する前にインドに対して持っていたイメージは
「カレー!ヒンドゥー教!ガンジス川!汚い!」でした。
漠然としたイメージを持っていた私が、実際にインドで1ヶ月生活して感じた印象は全く違います。
私の感じた印象は「人間という生き物を垣間見る国」です。
私が感じたインドという国の良い面と悪い面からそんな印象を持つことになった要因を書き記していきたいと思います。


インドの良い面として「人の距離が近い(身体・精神)」というところがあります。
特に交通面にこれが顕著に出ていて、二車線しかない道路に車3台とバイクが隙間を埋める様に走行していました。車同士が接触することは当たり前で、実際に乗っていた車がぶつけられてもドライバーの方は笑顔で「 OK〜OK〜」と仰っていました。


また、人の距離が近いと痛感したエピソードにタクシードライバーの方との話があります。
私たちは移動手段でタクシーやトゥクトゥクを頻繁に利用していましたが、多くの運転手の方は日本とインドの関係性を話しかけてくださりました。日本では考えられないのですが、一緒に写真を撮影することもありました。

お客としてたった数分の車内で初めてあった人と打ち解けて写真撮影を軽々としてしまう国、それがインドです。
日本には建前という文化があるので知人と他人の境界線は分かりやすく、態度の差が明らかに違ってきます。しかし、インドでは他人だからと自分の態度や心を抑えたり、畏ることはありません。(ビジネスシーンは異なると思います。)
私自身は出会った人々すべてと知人のように対等に話すことができるところにインドの魅力を感じました。

インドの悪い面として「貧困と格差」があります。
私たちが1週間ほど過ごした都市部のデリーでは路上に子供や1つの家庭が生活しているのは当たり前で物乞いで話しかけてくるボロボロの服を着た子供や母親は数えきれないほどいました。

そんな側をスーツを着たビジネスマン、オシャレな若者が平然と歩く光景もデリーでの日常でした。
テレビやスマホで貧困の子供や難民の人々を見る機会は何度もありましたが、ここまで明らかな貧困格差を初めて現実で見ました。
小銭を渡すことしかできない私はただ自分が生まれて育った環境と育ててくれた両親、今の環境に生まれた運に感謝することしかできず、今まで歩んできた人生は選択肢にありふれた世界だったことを考えさせられました。

ここまで書いたインドの良い点と悪い点は人間という生き物の優しやと残酷さを考えさせてもらえる機会になったと思っています。

同志社大学という素晴らしい環境で最高の仲間とラグビーができていることに感謝し、監督やコーチ陣、OBやファンの皆様の為にも私なりのベストで恩返ししていきたいと改めて本気で考える学びになりました。

 

2. デリーウルフズとの出会い

私が指導したクラブの中で最も印象に残っているクラブチームがあります。

それが「デリーウルフズ」です。

貧困層の子供たちが多く在籍するチームで、練習後に配られるバナナとジュースを目当てに参加している子供もいます。
練習に参加させて頂きながら、少しコーチングの活動を行いました。

競技レベルは低くかったのですが、どの子供たちも少ない楕円球を必死に追いかけて練習していました。


そんな子供達は、日本人である私たちに気さくに話しかけてくれました。

私よりも年上でチームをまとめていた「アスラム」という青年は幼い頃からの親友の様に多くのことを語ってくれました。彼の人としての優しさには感動しましたし、私自身もこんな優しく人と触れ合える人間になりたいと憧れを抱きました。もう2度と会えないかもしれまえんが、私はアスラムという人が持つ優しさや、温かさは一生忘れることがないと思います。
練習後には「子供たちの家庭環境を見に行かないか?」とコーチの方にお誘い頂き、行くことになりました。
彼らの住まいはショッピングモールと駅が直ぐ側にある高速道路の高架下にありました。家は布や段ボールで出来た家も多くあり、野犬やヤギと共に生活をしていました。住まいの中には一室ほどの空間にダブルベットとキッチンがあり、そこで8人の家族が生活していました。

こんな環境で生活している彼らは可哀想だと思った方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、彼らはそこで貧しくも「愛のある幸せな生活」をしていました。
貧しい中でも全員が笑顔で生活しており、支えあいながら暮らしていました。ラグビーができている幸せを大切にしていて、言葉は通じなくとも温かい生活をしていることが感覚で伝わってきました。


衝撃が強すぎて書いている今でも、この経験で何を学んだのかは綺麗に書くことができません。帰国から4ヶ月たった今でもこの日の出来事を何度も思い出します。そのくらい人生において大切なことを学ばせて貰ったと思っています。


整理できていない中で何か1つ感じたことを書くと、自分に正直に生きることが大切だと思いました。他人の目を気にしやすい日本では自分を抑えて生きていくことは多くありますが、そんな中でも自分自身の信念と楽しむ心だけは忘れてはいけないとは学ばせてもらいました。

 

 

KIIT・KISSでの活動

私たちはKIIT/KISSで2週間に渡ってコーチング活動を行いました。
初めてコーチをする隊員(選手)が多い中で、文化も違えば物資も不足している環境で一人で40人を指導することは日常的でした。「人に教える」という事の難しさを感じ、日頃から指導して頂いているコーチ陣・スタッフに改めて感謝しました。

 

KIIT/KISSでは日によって練習に来る時間帯/学年/人数が異なっていて、それを把握することができませんでした。そのため、当日の練習本番で「今日は高校生!」と決まったり、練習開始から終了までに人数が急に100人以上増えることもありました。

とにかくイレギュラーだらけだった環境で準備の大切さを学びました。
8人全員で1日に何度もミーティングをして、あらゆるパターンに対応する練習メニューと物資の配分量を日替わりで決めてに練習に臨んでいました。
睡眠時間も削られましたが、KIIT/KISSの子供たちや選手から貰う感謝の気持ちとラグビーを楽しんでいる姿に忙しさ以上のやりがいを感じていました。


最後の1週間はコロナが流行し始め、指導できる人数が少なくなると男女の高校生・大学生を中心に指導することになりました。
私たち4回生(鈴木、福島、吉田、斉藤)は女子の高校生と大学生を担当しました。
彼女たちはラグビーを楽しんで練習しており、私たちとも積極的に交流をしてくれました。練習以外でも日本やインドの歌を歌ったり、一緒にダンスしたりしました。
そんな彼女たちにはお菓子のラベルで作った花束を感謝の気持ちとして貰いました。今までラグビーで色んな試合や大会を経験し、感動したことは何度かありましたが、あれほど心の奥が震えたことのは初めてでした。

ラグビーというスポーツは過酷な競争があって、勝者と敗者が生まれるからこそ人の心を動かす魅力があるとその時までは思っていました。けれど、あの花束と選手たちの笑顔を見てからはラグビーというスポーツには楕円急を通して人と人の心を繋げることに本当の魅力があり、その繋がりが心を動かすものだと思いました。その学びを教えてくれたKIIT/KISSの選手には感謝しかありません。


これからはラグビーを不自由なくできていることに感謝し、今までラグビーで出来た絆、これからラグビーで出来る絆に愛を持って接することで色んな学びを吸収していきたいと思います。

まとめ

ここまで長く拙いブログを読んでくださり、本当に有難うございます。
こうした経験が出来たのも同志社大学ラグビー部関係者の皆様、川口先生と川井先生を始めとする政策学部インド組の皆様、エミリーさん、マコさん、JICA職員の皆様、インドのラグビークラブの皆様、その他数えきれない方々の支えがあったからです。
本当に貴重な体験をさせて頂きありがとうございます。


私は今回のこのプロジェクトで未熟ながらも沢山の学びと理想とする生き方や人物と出会うことができました。こうした学びを試合結果や広報活動など様々な形で還元し、自分なりの恩返しをしていきたいと思います。


最後にはなりますが、これからも同志社大学ラグビー部を何卒よろしくお願いします。
                                                                                                                                         斉藤響

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